聖書日課 ヨブ記
聖書日課 ヨブ記42章(新共同訳 旧約pp.832-833) ヨブが得た答え、それは全知「全能」の主の「御旨」は必ず「成就」するということ、そして、人はただ主の御前にひれ伏すのみ、ということであった。ヨブは自分の高ぶりの罪を認め、「塵と灰の上に」ひれ伏して…
聖書日課 ヨブ記41章(新共同訳 旧約pp.831-832) 主なる神のヨブへの語りかけが続く。前章に続いてここでも主なる神は、伝説の猛獣ベヘモットとレビヤタンを取り上げて、「彼を挑発するほど勇猛な者はいまい。いるなら、わたしの前に立て」と挑戦した(2節)。…
聖書日課 ヨブ記40章(新共同訳 旧約pp.830-831) 勝敗は呆気なく決まった。自分が受けた苦難について主なる神と言い争おうとしたヨブに対し、主なる神が、天地創造の驚くべき知恵を示され(39章)、「神を責めたてる者よ、答えるがよい」とヨブに挑戦すると(2節…
聖書日課 ヨブ記39章(新共同訳 旧約pp.828-830) 前章で「わたしはお前に尋ねる、わたしに答えてみよ」とヨブに迫った主なる神は(38章3節)、続いて、天と地におけるご自身の創造の御業をヨブに示しながら、「知っていたというなら/理解していることを言って…
聖書日課 ヨブ記38章(新共同訳 旧約pp.826-828) 遂に、主なる神が沈黙を破り、ヨブに答えられた。ヨブにとっては、待って、待って、待ち続けた末の答えである。しかし、その言葉は、決して甘く優しいものではなかった。寧ろ、非常に厳しくヨブの過ちを指摘す…
聖書日課 ヨブ記37章(新共同訳 旧約pp.824-826) エリフの長い発言が終わった。エリフは、終始一貫して、ヨブが主なる神よりも自分を正しいとするところに高ぶりの罪があると指摘し続けた。 「ヨブよ、耳を傾け/神の驚くべき御業について、よく考えよ。あな…
聖書日課 ヨブ記36章(新共同訳 旧約pp.823-824) エリフは、主なる神についての自分の確信を語り続けた。その確信とは、主なる神は悩みや苦しみを通して人間に語って下さるということである。 つまり、エリフは、ヨブの受けている「苦難」には、主なる神から…
聖書日課 ヨブ記35章(新共同訳 旧約pp.822-823) エリフは、引き続き、主なる神に対するヨブの高ぶった態度を指摘し、そこに過ちがあると批判した(2節)。そして、主なる神は超越的な方であり、人間が「正しく」ても間違っていても、それによって影響を受ける…
聖書日課 ヨブ記34章(新共同訳 旧約pp.820-822) エリフは続いてヨブの過ちを指摘した。ヨブが、主なる神よりも自分の方が正しいと主張したことに対して、その過ちを非難したのである。 「ヨブはこう言っている。『わたしは正しい。だが神は、この主張を退け…
聖書日課 ヨブ記33章(新共同訳 旧約pp.818-819) 「ここにあなたの過ちがある」…主なる神よりも自分の方が正しいと主張するヨブに対し、エリフはその間違いを厳しく指摘した。「神は人間よりも強くいます」…それ故、ヨブのように「神と争おうとする」ことは間…
聖書日課 ヨブ記32章(新共同訳 旧約pp.817-818) ヨブが自分の考えを語り尽くすと、最早「三人」の友人達は、それに「答え」ようとしなかった。彼らの考えの前提には決定的な違いがあり、彼らの議論には、全く噛み合うところがなかったからである。 「ここで…
聖書日課 ヨブ記31章(新共同訳 旧約pp.814-816) 31章は、ヨブの最終弁論の締め括りの章である。これまでヨブは、29章で過去の繁栄と祝福を語り、30章で現在の苦難を語った。そして本章で、自分の身の潔白を確信をもって主の前に主張している。 ヨブは、姦淫…
聖書日課 ヨブ記30章(新共同訳 旧約pp.812-814) 主の僕ヨブは、かつて大いなる繁栄と人々の尊敬の中にあった。しかし、今や人々の嘲りと軽蔑の対象となってしまった。 「だが今は、わたしより若い者らが/わたしを嘲笑う。彼らの父親を羊の番犬と並べること…
聖書日課 ヨブ記29章(新共同訳 旧約pp.811-812) 29章から31章にかけて、ヨブの嘆きの言葉が再び語られる。しかし、この嘆きの言葉は、単なる愚痴や独り言ではなく、主なる神に向けられた言葉である。それは、29章で苦難を受ける前の幸いな日々が回顧され、30…
聖書日課 ヨブ記28章(新共同訳 旧約pp.810-811) 28章は〈知恵の賛歌〉と呼ばれ、主なる神の「知恵」について記されている。これまでのヨブの激しい論調とは違い、「知恵」とは何か、「知恵」はどこから得られるのかということが落ち着いて丁寧に述べられてい…
聖書日課 ヨブ記27章(新共同訳 旧約pp.808-809) ヨブと3人の友人達の議論は終わった。友人達は皆、口をつぐんだ。そこで、ヨブは、議論を締め括るように、最後にもう一度自分の考えを述べた。27~31章はヨブの最後の弁論である。 「ヨブは更に言葉をついで主…
聖書日課 ヨブ記26章(新共同訳 旧約p.808) 26章は、シュア人ビルダドの言葉に対するヨブの「答え」である(1節)。ビルダドの言葉が短かったためか、ヨブの「答え」もさほど長くない。しかし、その内容は、ビルダドに対する痛烈な反論となっている。 まず、2~…
聖書日課 ヨブ記25章(新共同訳 旧約pp.807-808) ヨブの鋭い論証に対し、シュア人ビルダドが口を開いた。しかし、その言葉は短く、あっという間に終わっている。25章はたった6節しかない! 「シュア人ビルダドは答えた。恐るべき支配の力を神は御もとにそなえ…
聖書日課 ヨブ記24章(新共同訳 旧約pp.806-807) ヨブの言葉が続く。ここでヨブは、友人達の因果応報の原理に基づく考え方の矛盾を具体例を挙げつつ指摘している。 「なぜ、全能者のもとには/さまざまな時が蓄えられていないのか。なぜ、神を愛する者が/神…
聖書日課 ヨブ記23章(新共同訳 旧約pp.805-806) テマン人エリファズの言葉を受けて、再びヨブが語り出した。これは、友人達に対して語られた言葉というよりも、寧ろ主なる神に対するヨブの「訴え」と「嘆き」の言葉と言った方がいいだろう。 「ヨブは答えた…
聖書日課 ヨブ記22章(新共同訳 旧約pp.803-805) ヨブと友人達との3回目の討論がここから始まる。例によって「テマン人エリファズ」が最初に口を開いた。エリファズは、ヨブが主なる神に対して自分の潔白を主張するのを聞いて言った。 「テマン人エリファズは…
聖書日課 ヨブ記21章(新共同訳 旧約pp.802-803) ヨブはこれまで、自分が主なる神の前に潔白であることを訴えてきた。しかし、友人達は、それをヨブの頑なさと取り、自分達の考えに対する侮辱と理解した。そして、因果応報の考えによって、悪人は速やかに滅び…
聖書日課 ヨブ記20章(新共同訳 旧約pp.800-802) 3人目の友人ツォファルが再び口を開いた。しかし、彼もまたヨブの言葉に苛立ち、興奮して、激しい言葉で反論してきた。しかも、その言わんとするところは、相も変わらず〈因果応報〉の考えそのものだった。「…
聖書日課 ヨブ記19章(新共同訳 旧約pp.798-800) ヨブは、一日にして財産を失い、愛する子供まで失った。その上、重い皮膚病に犯され、妻にも愛想を尽かれ(17節)、使用人にさえ冷たくあしらわれるようになった(16節)。そして今、ヨブは、最後の頼みの綱である…
聖書日課 ヨブ記18章(新共同訳 旧約pp.797-798) 再び「シュア人ビルダド」が口を開いた。今回の言葉には、友人ヨブに対する配慮は欠片も見られない。ビルダドは、ヨブを「神に逆らう者」と決め付け、「灯はやがて消え」ると断罪している。 「シュア人ビルダ…
聖書日課 ヨブ記17章(新共同訳 旧約p.797) ヨブの言葉が続く。ヨブは最早死を覚悟するようになっていた。いや、ヨブにとって死は寧ろ苦しみからの解放であった。 「息は絶え、人生の日は尽きる。わたしには墓があるばかり」(1節)。 しかし、たとえ死んで肉体…
聖書日課 ヨブ記16章(新共同訳 旧約pp.795-797) ヨブは友人達に対してもう匙を投げていた。どんなに説明しても、友人達は「慰める振りをして苦しめ」、自分の考えから全く離れようとせず、ヨブの立場に立って物事を見ようとしなかったからである。 「ヨブは…
聖書日課 ヨブ記15章(新共同訳 旧約pp.794-795) ヨブ記は、ここからヨブと3人の友人達の第2の対話に入る。対話の口火を切ったのは、「テマン人エリファズ」だった。 エリファズが最初にヨブに語りかけた時には、まだヨブへの気遣いが伺えた(4章)。しかし、友…
聖書日課 ヨブ記14章(新共同訳 旧約pp.792-793) ヨブの言葉が続く。これまで見たように、ヨブは主なる神に向かって自分の潔白を主張した。今自分が受けている苦難は自分の罪のためではないことを、友人達と主なる神に対して訴えた。 しかし、だからと言って…
聖書日課 ヨブ記13章(新共同訳 旧約pp.791-792) 13章は、前章に続いて友人達に対するヨブの答えである。しかし、前半19節までは友人達に向かっての言葉だが、20節からは主なる神に向かっての言葉となっている。これは苦しみ故の混乱とも考えられる。しかし、…