聖書日課 ヨブ記18章(新共同訳 旧約pp.797-798)
再び「シュア人ビルダド」が口を開いた。今回の言葉には、友人ヨブに対する配慮は欠片も見られない。ビルダドは、ヨブを「神に逆らう者」と決め付け、「灯はやがて消え」ると断罪している。
「シュア人ビルダドは答えた。いつまで言葉の罠の掛け合いをしているのか。まず理解せよ、それから話し合おうではないか。なぜ、わたしたちを獣のように見なすのか。その目に愚か者とするのか。怒りによって自らを引き裂く者よ/あなたのために地が見捨てられ/岩がその場所から移されるだろうか。神に逆らう者の灯はやがて消え/その火の炎はもはや輝かず/その天幕の灯は暗黒となり/彼を照らす光は消える」(1~6節)。
以前の言葉には、まだヨブへの気遣いが見られた(8章)。ヨブに対して回復の道があることを述べている。しかし、今回の言葉では、そのような気遣いは全く消え失せ、「神に逆らう者」(ヨブ)の滅びを、これでもかこれでもかと捲くし立てるばかりである。それは殆ど脅しと言ってもよい内容である。
いわゆる〈教条主義〉の恐ろしさがここに見られる。自分の考えにあくまでも固執することの愚かさと言ってもいいかも知れない。しかも、それが言葉による暴力にまでなり果てていることに、当の本人は全く気付いていなかった。
こうして、財産をなくし、子供を失い、妻にも冷たくあしらわれたヨブは、最後に、長年の親友達にさえ深く傷つけられ、文字通り身も心もボロボロの状態に追いやられてしまった。
ところが、この最低最悪の状況の中から、ヨブの信仰の頂点とも言える贖い主への確信が生まれ出てくる(19章25~27節)! どん底に落ちれば落ちるほど、傷が深まれば深まるほど、ヨブの信仰もより一層深まっていった。
私達の人生に起こることで、意味のないこと、無駄なことなど一つもない。私達はここにも、主なる神の恵みを見ることが出来る。何という希望、何という恵みだろう!
西原新生バプテスト教会
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