聖書日課 ヨブ記25章(新共同訳 旧約pp.807-808)
ヨブの鋭い論証に対し、シュア人ビルダドが口を開いた。しかし、その言葉は短く、あっという間に終わっている。25章はたった6節しかない!
「シュア人ビルダドは答えた。恐るべき支配の力を神は御もとにそなえ/天の最も高いところに平和を打ち立てられる。まことにその軍勢は数限りなく/その光はすべての人の上に昇る。どうして、人が神の前に正しくありえよう。どうして、女から生まれた者が清くありえよう。月すらも神の前では輝かず/星も神の目には清らかではない。まして人間は蛆虫/人の子は虫けらにすぎない」(1~6節)。
ビルダドは、主なる神の絶対的な「支配」と、人間の世界とは掛け離れた所にある「天」における「平和」を述べ、それと比較しての人間の小ささと汚れを強調するばかりであった。彼の言葉は到底ヨブの考えへの反論と言えるようなものではなかった。
ビルダドにとって神は、この世と隔絶した世界にいる絶対的存在であり、人間と親しく交わる方ではなかった。まして、ヨブが信じているような、弱い者に恵みを注ぎ、罪ある者を贖う神などは、思いもよらないことであった。
このように、議論が積み重ねられるにつれて、ヨブと友人達の神についての理解には、大きな違いがあることが明白になった。彼らは皆、いつまで経っても噛み合うことのない議論に疲れを覚え始めていたに違いない。
ビルダド自身も、自分から語りつつも、自分の考えの限界を感じていたのではないか。そのため、それ以上話すことが出来なくなってしまったのかも知れない。
彼らには、議論を止め、口をつぐみ、主の御前に静まる時が近づいていた。
「すべて肉なる者よ。主の御前に黙せ。主はその聖なる住まいから立ち上がられる」(ゼカリヤ書2章17節)。
西原新生バプテスト教会
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