聖書日課 サムエル記下17章(新共同訳 旧約pp.507-509)
ダビデの側女たちのところに入るようアブサロムに提案したアヒトフェルは、続いてもう一つ提案をしている(1~3節)。1万2千の兵士と共に、「今夜のうちに出発して」ダビデを「急襲」して討つという作戦である。
ダビデたちが態勢を立て直す前に一気に攻め、大将のダビデさえ倒せば、大きな戦いになる前に民全体を平定出来るという名案である。
「この言葉はアブサロムにも、イスラエルの長老全員の目にも正しいものと映った」(4節)。
ところが、どういうわけかアブサロムは「アルキ人フシャイも呼べ。彼の言うことも聞いてみよう」と言い出した(5節)。早速「フシャイがアブサロムのもとに呼び出され」ると、彼はアブサロムに言った。
「今回アヒトフェルが提案したことは良いとは思えません」(7節)。
そして、「まず王の下にイスラエル全軍を集結させ」、それから王自ら全軍を率いて戦闘に出かけるよう提言した(11節)。
この時、フシャイは明らかに、アヒトフェルの提案がダビデにとって危険であると知って時間稼ぎのための提案をしたように思われる。にもかかわらず、アブサロムも他のイスラエル人も、「フシャイの提案がアヒトフェルの提案にまさると思った」というのである。この点について聖書はこう記している。
「アブサロムも、どのイスラエル人も、アルキ人フシャイの提案がアヒトフェルの提案にまさると思った。アヒトフェルの優れた提案が捨てられ、アブサロムに災いがくだることを主が定められたからである」(14節)。
「優れた提案が捨てられ」るという現実。人間の理性がいかに鈍り易いものであるか、それとは対照的に、主なる神の定めがいかに確かなものであるかがはっきりと表されている。
そして、これは一つの祈りに対する答えでもあった。
「アヒトフェルがアブサロムの陰謀に加わったという知らせを受けて、ダビデは、『主よ、アヒトフェルの助言を愚かなものにしてください』と祈った」(15章31節)。
人は悪を謀る。しかし、主はその全てを支配しておられる。そして、主は全てのことを共に働かせて益として下さる。これは主なる神を愛する人々に与えられた主なる神の約束である。
「神を愛する者たち、つまり、御計画に従って召された者たちには、万事が益となるように共に働くということを、わたしたちは知っています」(ローマの信徒への手紙8章28節)。
西原新生バプテスト教会
主日礼拝 毎週日曜日10:30~12:00
〒903-0121 沖縄県中頭郡西原町内間27-2
電話・FAX 098-946-0119
メールアドレス