聖書日課 サムエル記上15章(新共同訳 旧約pp.451-453)
その後、イスラエルは順調に勢力を拡大していった。その一方で、サウル王の愚かさはますます明らかになっていったようである(14章24~45節)。15章には、そのようなサウル王の不信仰が、取り返しのつかない事態を招いてしまった悲しい出来事が記されている。
事の起こりは、主なる神がサウル王に、アマレク人を討つよう命じたことに始まる。この時主なる神は、次のようにサウル王に命じている。
「行け。アマレクを討ち、アマレクに属するものは一切、滅ぼし尽くせ。男も女も、子供も乳飲み子も、牛も羊も、らくだもろばも打ち殺せ。容赦してはならない」(3節)。
サウルは、主なる神の命令に従って「アマレク人を討った」(7節)。ところが、彼らは「アマレクの王アガク」を殺さずに「生け捕りにし」た(8節)。また、牛や子羊の中の「値打ちのないものだけを滅ぼし」、「上等なもの」は皆「惜しんで滅ぼし尽くさ」なかった(9節)。
主なる神はこれを見てサムエルに言った(10節)。
「わたしはサウルを王に立てたことを悔やむ。彼はわたしに背を向け、わたしの命令を果たさない」(11節)。
サムエルは「深く心を痛め、夜通し主に向かって」祈り続けた(11節)。
しかし、当のサウル王は、そのような罪など全くないかのようにサムエルにこう言った。
「わたしは主の御声に聞き従いました。主の御命令どおりに出陣して、アマレクの王アガグを引いて来ましたし、アマレクも滅ぼし尽くしました。兵士が、ギルガルであなたの神、主への供え物にしようと、滅ぼし尽くすべき物のうち、最上の羊と牛を、戦利品の中から取り分けたのです」(20~21節)。
このサウル王の発言に対してサムエルは次のように答えた。
「サムエルは言った。『主が喜ばれるのは/焼き尽くす献げ物やいけにえであろうか。むしろ、主の御声に聞き従うことではないか。見よ、聞き従うことはいけにえにまさり/耳を傾けることは雄羊の脂肪にまさる。反逆は占いの罪に/高慢は偶像崇拝に等しい。主の御言葉を退けたあなたは/王位から退けられる』」(22~23節)。
イスラエルの兵士たちは、「主への供え物」にするためという名目をつけて「最上の羊と牛」を残しておいた。しかし本当は、滅ぼし尽くすのが惜しかっただけである。つまり彼らは、欲望に駆られて主なる神の御命令に背いたのである。そして、サウル王も、そういう兵士たちの声に押されて、主なる神の御命令を軽んじた。これは、主なる神によって立てられた王として決定的な失態となった。
サムエルはサウル王に言った。「主の御言葉を退けたあなたは/王位から退けられる」。サウル王は、主なる神の御言葉を退けることによって自らが退けられる道を選んでしまった。彼は結局、大切な教訓を最後まで学ぶことはなかった。
「聞き従うことはいけにえにまさり/耳を傾けることは雄羊の脂肪にまさる」
西原新生バプテスト教会
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