聖書日課 列王記上5章(新共同訳 旧約pp.534-535)
主なる神の知恵によって平和と繁栄を得たソロモンは、父ダビデ以来の願いであった「主の御名のために神殿を建てる」準備を始めた。神殿建築はソロモン王にとって最も大きく重要な事業となった。
「ご存じのとおり、父ダビデは、主が周囲の敵を彼の足の下に置かれるまで戦いに明け暮れ、その神なる主の御名のために神殿を建てることができませんでした。今や、わたしの神、主は周囲の者たちからわたしを守って、安らぎを与えてくださり、敵対する者も、災いをもたらす者もいません。ここに至ってわたしは、わたしの神、主の御名のために神殿を建てようと考えています。主が父ダビデに、『わたしがあなたに代えて王座につかせるあなたの子が、わたしの名のために家を建てる』と言われたからです。それゆえ、わたしたちのためにレバノンから杉を切り出すよう、お命じください。わたしの家臣たちもあなたの家臣たちと共に働かせます。あなたの家臣たちへは、仰せのとおりの賃金をわたしが支払います。ご存じのように、当方にはシドンの人のような伐採の熟練者がいないからです」(17~20節)。
これは、ソロモン王が「ティルスの王ヒラム」に使節を遣わして述べた言葉である(15節)。神殿建築はソロモン王とイスラエル一国だけで為し得る事業ではなかった。イスラエルには、神殿の材料となる木材や、それを取り扱う「伐採の熟練者」がいなかったのである。
しかし、主なる神は、そのための協力者を前もって備えて下さっていた。それがティルスの王ヒラムである。ヒラムは異邦の王であったが、ダビデがイスラエルの王となった頃から「常にダビデと友好関係にあった」(15節)。彼は、「ダビデのもとに使節を派遣し、レバノン杉、木工、石工を送」り、「ダビデの王宮を建て」てくれた(サムエル記下5章11節)。
ヒラムは、ダビデ王に対し尊敬と信頼の念を抱いていたに違いない。しかし、こういった人間の尊敬の背後に、主なる神の恵みの御手が働いていたことを忘れてはならない。主なる神は、戦いに明け暮れるダビデ王に、民族や国境を越えた友情と協力者をお与えになったのである。それは、ダビデにとって大きな励ましであり喜びであったに違いない。
そして今、その励ましと喜びは、ダビデの子ソロモンへと継承された。ダビデがずっと願い続けていた、そしてずっと備え続けてきた神殿建築が、その子ソロモンと友人ヒラムの協力によって成し遂げられようとしていた。
主なる神の御住まいである神殿は、平和と友情と協力の中でこそ建てられるに相応しいものである。
「平和のきずなで結ばれて、霊による一致を保つように努めなさい」(エフェソの信徒への手紙4章3節)。
西原新生バプテスト教会
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