芳賀 力『歴史と伝承――続・物語る教会の神学』東京: 教文館, 2008年, p.81
「教会の教理の成立もこの啓示の歴史という視点から捉え直す必要がある。起源としてのイエスに始まり、しかもそれで終息するのではなく、復活者の顕現と聖霊の注ぎまで含めて考えなければならず、この聖霊の注ぎのもとで成立した礼拝共同体というものが、教理成立の場として積極的に位置づけられねばならない。言い換えるとこのことは、啓示の歴史を三位一体の神の自己啓示として見るということである。教理(教義)の成立もそのことと無関係ではない。歴史のイエスと宣教(ケリュグマ)のキリストの分断はありえない」