聖書日課 マタイによる福音書4章(新共同訳 新約pp.4-6)
4章では、いよいよイエス・キリストが、ガリラヤで本格的な宣教活動を始められる。すると、イエス・キリストの評判は瞬く間にガリラヤ中に広まり、遠くシリアにまで伝わっていった。そして、「大勢の群衆」がイエス・キリストのもとにやって「来て」「従った」ことが記されている(23~25節)。しかし、このような力強い宣教活動を始める前に、イエス・キリストは聖霊によって「荒れ野」に導かれ、「四十日間」に及ぶ「断食」の後、「悪魔」から「誘惑」を受けたことが、本章には記されている(1~2節)。
それは、主イエス・キリストが本格的な伝道を開始する前に、どうしても経験しておくべきことだったのだろう。それは、悪魔の誘惑に打ち勝つ術を身に付けるための経験だったに違いない。
悪魔は3度イエス・キリストに「誘惑」を仕掛けてきた。最初の誘惑は、「空腹を覚えられた」イエス・キリストに、「石がパンになるように命じたらどうだ」というものであった(3節)。この時、イエス・キリストは主なる神の御心に従って断食していた。それ故、それを無視して自分の力で勝手に石をパンに変えることは、主なる神に逆らうことになる。そのためイエス・キリストは、「人はパンだけで生きるものではない。神の口から出る一つ一つの言葉で生きる」と答え、きっぱり悪魔の誘惑を退けた(4節)。
2つめの誘惑は、「神の子なら」「神殿の屋根」の上から「飛び降りたらどうだ」という誘いであった。しかも、聖書の言葉まで引用して誘いかけてきた(5~6節)。これは、御言葉を誤用させ、主なる神を自分の思い通りに動かそうとさせる誘惑と言えるだろう。しかし、イエス・キリストは、「『あなたの神である主を試してはならない』とも書いてある」と答え、悪魔の誘いかけを断じて拒否された(7節)。
最後に悪魔は、「世のすべての国々とその繁栄ぶりを見せて」、「もし、ひれ伏してわたしを拝むなら、これをみんな与えよう」と誘いかけてきた(8~9節)。これは富と権力への誘惑と言えるだろう。それによって主なる神の御子に自分を拝ませ、自分の地上での支配を確立しようとした。するとイエス・キリストは言われた。
「退け、サタン。『あなたの神である主を拝み、ただ主に仕えよ』と書いてある」(10節)。
こうして、イエス・キリストは悪魔の誘惑に勝利した。イエス・キリストは、御言葉を宣言することによって誘惑に打ち勝ち、サタンを退けた。この原則は今も変わることがない。御言葉を正しく理解し、深く信頼し、徹底して従う姿勢によって、私達も悪魔に打ち勝ち、力強く福音に生かされながら宣べ伝えていくことが出来る。
西原新生バプテスト教会
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