聖書日課 歴代誌上19章(新共同訳 旧約pp.655-656)
或る日、ダビデ王は、「アンモン人の王ナハシュ」の訃報を聞き、「使者を遣わして哀悼の意を表そうとした」(1~2節)。これは、かつてダビデがサウル王から逃れて放浪の旅をしていた時、アンモンのナハシュ王の好意を受けたことに対する誠意を示すためであったと思われる。
ところが、「アンモンの高官たち」はダビデの好意を頭から疑ってかかった。そして、ナハシュに「代わって王となった」ハヌンに注意を促した。そこで、ハヌンは彼らの進言を受け入れ、「ダビデの家臣を捕らえ」て、「辱め」た上で「追い返し」てしまった。
「アンモン人の高官たちはハヌンに言った。『ダビデがお父上に敬意を表して弔問の使節を送って来たとお考えになってはなりません。ダビデの家臣があなたのもとに来たのは、この地を探って倒すため、うかがうためにちがいありません。』それでハヌンはダビデの家臣を捕らえ、ひげをそり落とし、衣服も半分、腰から下を切り落として追い返した」(3~4節)。
ダビデは善意を仇で返されたことに怒り、「全軍」を召集してアンモンに立ち向かった(8節)。アンモンも、「ダビデの憎しみをかったことを悟っ」て、アラムと同盟を結んでイスラエル軍に対峙した(6~7節)。こうして、イスラエル軍とアンモン・アラム同盟軍の全面戦争が勃発してしまった。
戦いはイスラエル軍の全面的な勝利に終わり(18節)、アンモンとアラムは大きな痛手を負って、ダビデに「隷属」することになった。そして、「アラム人は、二度とアンモン人を支援しようとはしなかった」と聖書は記している(19節)。
悲劇は、アンモンの王ナハシュとその高官たちの判断ミスから生まれた。ほんの小さな恐れが平和な関係を破壊し、ほんの小さな疑いが戦争さえも生み出して、大きな犠牲と損害をもたらすことになった。
勿論、何でも信頼すれば良いということではない。しかし、恐れや疑念は、時に大問題を引き起こす引き金となることがある。恐れや疑念のままに行動することなく、主に心を向けて信頼し、心を主の平安によって保ち続けることが大切である。
「どんなことでも、思い煩うのはやめなさい。何事につけ、感謝を込めて祈りと願いをささげ、求めているものを神に打ち明けなさい。そうすれば、あらゆる人知を超える神の平和が、あなたがたの心と考えとをキリスト・イエスによって守るでしょう」(フィリピの信徒への手紙4章6~7節)。
西原新生バプテスト教会
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