聖書日課 歴代誌上20章(新共同訳 旧約p.656)
20章には、ダビデ王によるアンモン征服とペリシテ人への勝利が記されている。
「年が改まり、王たちが出陣する時期になった。ヨアブは軍隊を率いてアンモン人の地を荒らし、ラバに来てこれを包囲した。しかしダビデ自身はエルサレムにとどまっていた。ヨアブはラバを攻略し、破壊した。ダビデはその王の冠を王の頭から奪い取った。それは一キカルの金で作られ、宝石で飾られていた。これはダビデの頭を飾ることになった。ダビデがこの町から奪い去った戦利品はおびただしかった」(1~2節)。
ダビデは、アラムの後ろ盾を失った「アンモン」を攻め、その首都「ラバ」を征服して、イスラエルへの戦意を打ち砕き、アンモンを属国とした。それはアンモンに対する完全勝利であった。また、ダビデは、長年の宿敵「ペリシテ」をも打ち破って、ここでも完勝を収めた。このように、20章は、ダビデ王による治世の完全な勝利を記している。
しかし、実のところ、イスラエルとアンモンが戦っていた時、ダビデはバト・シェバとの罪に陥っていた。また、ペリシテ人との戦いの時には、「ダビデは疲れていた」とサムエル記は記している(サムエル記下21章15節)。
何故歴代誌は、こういうダビデの失態を記していないのだろうか。或る人々は、それはダビデを美化するためであると述べている。しかし、次の21章には、ダビデが犯した別の罪が記されているので、そうとも言えない。恐らく、それは、神の民イスラエルと礼拝再興という歴代誌の執筆目的と余り関わりのない出来事として省かれたのだろう。
しかし、これはとても大切なことを私達に示してくれているようにも思う。それは、私達は様々な罪を犯してしまうけれども、そのような罪や失敗の全てを乗り越えて、神の国と礼拝は確かに築き上げられていくということである。
勿論、それは罪など小さなことだと言うことではない。主なる神は、そのために主イエス・キリストを十字架にかけて下さった。そして、それは主なる神がどんなに強く神の国と真の礼拝者を愛し求めておられるかということを表している。
神の国と真の礼拝、私達はどれほど強くこれを求めているだろうか。
西原新生バプテスト教会
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