聖書日課 列王記下11章(新共同訳 旧約pp.596-598)
11章には、南ユダ王国の歴史が記されている。
イエフによって殺されたユダの王「アハズヤの母アタルヤ」は、「息子が死んだ」ことを知ると、「直ちに」ユダの「王族をすべて滅ぼそうとした」(1節)。アタルヤは、元々北王国のアハブ王とイゼベルの娘で、ユダ王国のヨラム王の妻となった。しかし、イエフの謀反によって、北王国の実家(アハブ王家)が滅ぼされ、南王国でも自分の息子アハズヤが殺されてしまった。そのため、切羽詰まった彼女は、自分の立場を守るためにユダの「王族をすべて滅ぼそうとした」。
しかし、このような事態に「ヨラム王の娘で、アハズヤ王の姉妹であるヨシェバ」は危機感を募らせた。そこで「アハズヤの子ヨアシュ」を助け出して匿った(2節)。ヨシェバは祭司ヨヤダの妻で、イゼベルの娘アタルヤがユダ王国にバアル礼拝を持ち込んだことに対して、強い反感と危機感を抱いていた。
こうして、「七年」の時が流れた。その間、祭司ヨヤダとその妻ヨシェバは、人々の協力を得てアハズヤ王の息子ヨアシュを匿い続けた。そして、ヨアシュが王となるに相応しい年頃となった時、ヨヤダは、王宮の兵士たちを取りまとめて、ヨアシュをユダ王国の王として即位させ(12節)、女王アタルヤを討った(16節)。それは、ヨヤダにとって、ダビデ王家とイスラエルの信仰を守るための命懸けの行動であったに違いない。
人々は、ヨアシュ王の即位を喜び迎えた。そして、「バアルの神殿」と「像を徹底的に打ち砕き」、「バアルの祭司」を討って、偶像礼拝を国中から一掃した(18節)。この時のことを聖書は次のように記している。
「ヨヤダは、主と王と民の間に、主の民となる契約を結び、王と民の間でも契約を結んだ。国の民は皆、バアルの神殿に行き、それを祭壇と共に破壊し、像を徹底的に打ち砕き、バアルの祭司マタンを祭壇の前で殺した。祭司ヨヤダは主の神殿の監督を定め、更に百人隊の長、カリ人、近衛兵および国の民全員を率いて、王を主の神殿から連れ下り、近衛兵の門を通って王宮に導き、王座につけた。こうして、国の民は皆喜び祝った。アタルヤが王宮で剣にかけられて殺された後、町は平穏であった」(17~20節)。
偶像が持ち込まれたことによってもたされた混乱と堕落と恐怖が、今漸く取り除かれ、民の中に平穏が戻った。主なる神への信仰と偶像礼拝の共存はあり得ない。主の民の平穏は、主なる神を愛し、主にのみ仕える決意と姿勢の中にこそ保たれるものである。
西原新生バプテスト教会
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