聖書日課 列王記下10章(新共同訳 旧約pp.594-596)
イスラエルの王となったイエフは、前王アハブの家を徹底的に滅ぼし尽くした。彼は、首都サマリアの「指導者と長老たちとアハブの子供の養育者たち」に命じて、「アハブの子供」「七十人を残らず殺」させ(1節、7節)、その首をイズレエルの「町の入り口にさらし」た(8節)。また、「イズレエルに残っていたアハブの家の者およびアハブについていた有力者、親友、祭司を皆打ち殺し、一人も残さなかった」(11節)。
更に、イエフは、サマリアに向かう途中に出会った「ユダの王アハズヤの身内の者たち」「四十二人」を、「ベト・エケドの水溜め」で皆殺しにし、「一人も残さなかった」。彼らは、アハブの親戚であり、アハブの「王子たち、王妃の子供たちの安否を問いに」やって来たのだった(13~14節)。
こうして、サマリアに到着したイエフは、「アハブの家の者をことごとく打ち殺し」(17節)、また、バアルの預言者、祭司など、「バアルに仕える者」を「イスラエル中」から呼び集めて(20節)、徹底的に滅ぼし尽くした(25節)。それは、主がエリヤに告げられた通り、アハブ一族の罪に対する裁きだった。
しかし、イエフの徹底ぶりも、ここまでだった。これほどバアルとバアルに仕えるアハブ王家を徹底的に滅ぼし尽くしたのに、彼は北イスラエル王国の初代の王「ヤロブアム」が始めた「金の子牛を退けなかった」。
「このようにして、イエフはイスラエルからバアルを滅ぼし去った。ただ、イスラエルに罪を犯させたネバトの子ヤロブアムの罪からは離れず、ベテルとダンにある金の子牛を退けなかった。主はイエフに言われた。『あなたはわたしの目にかなう正しいことをよく成し遂げ、わたしの心にあった事をことごとくアハブの家に対して行った。それゆえあなたの子孫は四代にわたってイスラエルの王座につく。』しかしイエフは、心を尽くしてイスラエルの神、主の律法に従って歩もうと努めず、イスラエルに罪を犯させたヤロブアムの罪を離れなかった。このころから、主はイスラエルを衰退に向かわせられた。ハザエルがイスラエルをその領土の至るところで侵略したのである」(28~32節)。
イエフにとって、金の子牛礼拝は北王国の伝統であり、南王国と宗教的に一線を画する象徴的存在だったのかも知れない。しかし、真のイスラエルの伝統である南王国の視点からすれば、バアルも金の子牛も、同じ偶像礼拝でしかなかった。
結局、彼もまた、「心を尽くしてイスラエルの神、主の律法に従って歩もう」とはしなかった。そのため、イエフ王朝も長くは存続せず、「このころから」イスラエルは「衰退」の一途を辿っていった。
信仰とは、一時の熱心ではなく、徹底した土台からの改革である。勿論、それは極端に走ることではない。「心を尽くして」主を愛し、いつまでも、どこまでも主の教えに聞き従って生きようとする決心、それが信仰である。
西原新生バプテスト教会
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