聖書日課 士師記15章(新共同訳 旧約pp.407-409)
サムソンとペリシテ人の女性との結婚は、最初から波乱ずくめだった。
結婚式の宴会で、余興気分で出した〈謎かけ〉をめぐって、新妻に裏切られ腹を立てたサムソンは(14章17節)、そのまま自分の家に帰ってしまった(同19節)。そのため、その女性は、サムソンの友人に嫁がされてしまった(同20節)。
ところが、何も知らずに再び「妻を訪ね」たサムソンは、妻が他の男のものとなってしまったことを知り、また腹を立てた。そして、捕らえた動物たちに「松明を取り付け」、「その松明に火をつけ」て放ち、ペリシテ人の畑を焼き尽くしてしまった。
「しばらくして小麦の収穫のころ、サムソンは一匹の子山羊を携えて妻を訪ね、『妻の部屋に入りたい』と言ったが、彼女の父は入らせなかった。父は言った。『わたしはあなたがあの娘を嫌ったものと思い、あなたの友に嫁がせた。妹の方がきれいではないか。その妹を代わりにあなたの妻にしてほしい。』サムソンは言った。『今度はわたしがペリシテ人に害を加えても、わたしには罪がない。』サムソンは出て行って、ジャッカルを三百匹捕らえ、松明を持って来て、ジャッカルの尾と尾を結び合わせ、その二つの尾の真ん中に松明を一本ずつ取り付けた。その松明に火をつけると、彼はそれをペリシテ人の麦畑に送り込み、刈り入れた麦の山から麦畑、ぶどう畑、オリーブの木に至るまで燃やした」(1~5節)。
怒ったペリシテ人たちは、「彼女とその父」を家もろとも「火を放って焼き殺した」(6節)。するとサムソンは彼らに「報復」し、「彼らを徹底的に打ちのめし」た(7~8節)。そのため、遂にペリシテ人は、イスラエルに対して戦いを仕掛けた(9節)。こうして、サムソンが引き起こした問題は、とうとう民族紛争にまで膨れ上がってしまった。
困ったのはユダの人々である。サムソンのおかげで、自分達の命まで危うくなったのだから。そこで、彼らは大挙してサムソンに詰め寄り、彼を「縛ってペリシテ人の手に渡し」てしまった(11~13節)。しかし、サムソンは、主の力を得て、たった一人で「千人」のペリシテ人を「打ち殺した」(14~15節)。非常に目まぐるしい話である。
このように、サムソンは勇猛果敢だったが、同時に、すぐ怒る、暴力をふるう、周りの迷惑を顧みないなど、多分に幼児性を残した人物でもあった。しかし、主なる神は、そういう欠点を抱えたサムソンを用いられた。これは、私達にとって慰めとも言えるかも知れない。主なる神は、サムソンと同様に、欠点のある私達を愛して下さっている。勿論幼稚なままで良いということではない。私達は、愛においても清さにおいても、成長することを期待されている。愛されていることを感謝しつつ、聖霊によって造り変えられることを日々求め続けよう。
西原新生バプテスト教会
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