ギデオンと言えば、〈信仰の勇者〉の代名詞のような士師である。何と言っても、僅か300人の手兵で、数万人もの敵を打ち破ったのだから!
しかし、最初から強かったかと言うと、意外にもそうではなかった。彼は敵である「ミディアン人」の来襲を恐れて、「酒ぶねの中」に隠れて「小麦を打っていた」。
「さて、主の御使いが来て、オフラにあるテレビンの木の下に座った。これはアビエゼルの人ヨアシュのものであった。その子ギデオンは、ミディアン人に奪われるのを免れるため、酒ぶねの中で小麦を打っていた」(11節)。
ところが、そのようなギデオンのもとに「主の御使い」が「現れて言った」。
「勇者よ、主はあなたと共におられます」(12節)。
敵を恐れて隠れているような者に対して「勇者」と言うのは、何かおかしな感じがする。言われたギデオン自身も、そう感じたようで、彼は主の御使いに言った。
「わたしの主よ、お願いします。しかし、どうすればイスラエルを救うことができましょう。わたしの一族はマナセの中でも最も貧弱なものです。それにわたしは家族の中でいちばん年下の者です」(15節)。
疑問、不満、劣等感…、この時ギデオンの心は、そのような否定的な思いでいっぱいだった。
しかし、そのようなギデオンに、主はなおこう言われた。
「あなたのその力をもって行くがよい。あなたはイスラエルを、ミディアン人の手から救い出すことができる。わたしがあなたを遣わすのではないか。…わたしがあなたと共にいるから、あなたはミディアン人をあたかも一人の人を倒すように打ち倒すことができる」(14節、16節)。
主が私と「共にいる」。主が私を「遣わす」。力の根源、勝利の根拠は、ここにある。私達の目に見えるところがどんなに弱くても、どんなに小さくても、一切関係ない。私達を命がけで愛して下さる主なる神に信頼し、その恵みと平安に包まれて、安心して導きのままに進んで行けばよい。私達を愛しておられる主なる神は、私達が不信や恐れではなく、愛と信頼によって力強く生きるよう、導き、守り、祝して下さる。その主に、全幅の信頼をおいて生きていこう!
西原新生バプテスト教会
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