赤木 善光「カルヴァンの神学」倉松 功, 赤木 善光『ルターとカルヴァンの神学』現代と教会新書, 東京: 日本基督教団出版部, 1964年, pp.106-107
「ところでカルヴァンのこのような秩序についての考え方は、1において述べた神認識にもあてはまります。彼は神を知ることの重要性を強調し、また彼の論述の仕方を見てもわかるように、問題をとことんまで考え抜いていますが、いつも知識の節度を重んじ、一定の限度以上に進まないように、また好奇心から宗教問題を議論しないように、さらに人間の空想によらず、具体的な神の言葉である聖書に従って考えるべきことを力説しています。秩序のあるところ、必ずそこには限界があります。限界内に留まること、すなわち服従こそ信仰において最も重要な態度の一つであります。『したがって真の知性の原則は、神がそこで自分自身についてあかししようとしていられるものを、わたしたちが恭々しく信奉することにある。なぜなら、ただ単に完全無欠な信仰だけではなく、神についてのすべての正しい知識は服従から生じるからである』(綱一・六・二)」