聖書日課 歴代誌上8章(新共同訳 旧約pp.638-639)
8章には、前章に続いて「ベニヤミン」族の詳しい系図が記されている。この小さな部族の系図が詳細に記されているのは、バビロン捕囚から帰還した人々の中に「ベニヤミン」族が少なからず含まれていたからだと思われる。
「ベニヤミンには、長男ベラ、次男アシュベル、三男アフラ、四男ノハ、五男ラファが生まれた」(1~2節)。
ベニヤミンは、ヤコブの12人の息子の末っ子である。加えて、彼の母ラケルは、ヤコブの4人の妻や側女たちの中で最も愛された女性であった。だから、彼は父親の特別な寵愛を受けて育った。
おっとりタイプの長男に対して、末っ子はちゃっかりしていて、すばしこいとしばしば言われる。ベニヤミンもご多分に漏れず、父ヤコブの遺言の中でこう言われている。
「ベニヤミンはかみ裂く狼/朝には獲物に食らいつき/夕には奪ったものを分け合う」(創世記49章27節)。
勿論、ベニヤミン族の中には、色々なタイプの人がいたに違いない。しかし、こういう〈部族柄〉とも言える特徴が代々受け継がれるというのもよくあることである。
その一例として、ベニヤミン族出身の〈有名人〉に、左利きの士師エフドがいる(士師記3章15節)。彼の抜け目のない賢さは、ベニヤミン族の特徴を引き継いでいるように思われる。また、士師時代の終わりには、部族の者が犯した凶悪犯罪のために一族滅亡の危機に瀕した。しかし、それも何とか生き残った。
更に、彼らが所有していたのは、大部族ユダとエフライムの間の狭い土地であったが、そこにはエルサレムが含まれていた。そして、やがて彼らからイスラエル初代の王「サウル」が登場した(33節)。サウル王は罪の故に一代限りで失脚してしまった。しかし、その子の「ヨナタン」は(33節)、イスラエルの2代目の王となったダビデと深い友情を保った。そのことの故に、サウル王朝が滅んだ後も、ヨナタンの子孫はしっかり生き残ることが出来た(34節)。
そして今、彼らは、他の10部族が消え去ってしまった中、バビロン捕囚というイスラエル史上最大の危機を乗り越えて再び約束の地に帰って来た。それは、彼らがダビデの血を引くユダ族と共にいたからである。しかし、その幸運は、イスラエルを愛する主なる神の恵みと憐れみによるものであることも忘れてはならない。ベニヤミンの系図から、主の恵みに信頼し、御心に従って歩むことの大切さを改めて確認したい。
西原新生バプテスト教会
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