聖書日課 歴代誌上4章(新共同訳 旧約pp.630-632)
4章には、前半にユダ族の傍系の系図が(1~23節)、後半にシメオン族の系図が記されている。しかし、特に目立った人物が登場するわけでもないので、さっと読み過ごしてしまうところかも知れない。だが、「ヤベツ」という人物について注目に値する記述がなされている。彼はいわゆる〈ヤベツの祈り〉で知られている。
「ヤベツは兄弟たちの中で最も尊敬されていた。母は、『わたしは苦しんで産んだから』と言って、彼の名をヤベツと呼んだ。またヤベツがイスラエルの神に、『どうかわたしを祝福して、わたしの領土を広げ、御手がわたしと共にあって災いからわたしを守り、苦しみを遠ざけてください』と祈ると、神はこの求めを聞き入れられた」(9~10節)。
ヤベツという名には「苦しむ」という意味があった。彼の出生には、何らかの苦しみが関連していたため、母親がそう呼んだと記されている。しかし、その苦しみがどのようなものであったのかは定かではない。
苦しみの中に生まれ育ったヤベツ。悲しみの人ヤベツ。ところが、聖書は「ヤベツは兄弟たちの中で最も尊敬されていた」と記している。何故彼は多くの人々から「尊敬され」る人物となったのだろうか。その秘訣はどこにあったのだろうか?
その答えは、彼の信仰と祈りにあった。ヤベツは主に祈った。
「どうかわたしを祝福して、わたしの領土を広げ、御手がわたしと共にあって災いからわたしを守り、苦しみを遠ざけてください」。
領土の拡大、災いからの守り、苦しみの回避…、これを見て〈御利益宗教〉と思う人もいるかも知れない。でも、決してそうではない。ヤベツは、「どうかわたしを祝福して」とあるように、何よりもまず主の祝福を求め、また「御手がわたしと共にあって」とあるように、主と共に生きることを何よりも大切なこととして求めた。
かつてヤコブが主の使いと格闘して祝福を求めたように(創世記32章23~31節)、ヤベツも、何よりもまず主なる神の祝福を求め、主なる神に従い、主なる神と共に歩み続けた。この信仰と祈りこそがヤベツを「尊敬」に値する人物とし、彼が苦しみを乗り越えて、祝福の人生を勝ち得た秘訣だった。ヤベツの信仰と祈りには、学ぶことが沢山ある。
西原新生バプテスト教会
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