聖書日課 ルカによる福音書1章(新共同訳 新約pp.99-102)
今日からルカによる福音書を読んでいく。この福音書には、冒頭に「献呈の言葉」が記されている。そこから、著者ルカがテオフィロという人物に献呈するために書いた文書であることが分かる(3節)。
それによると、ルカは、イエス・キリストとその福音に関することを詳しく調べ、順序正しく書き、テオフィロに献呈した(3節)。そして、それは、この文書を読むことで、テオフィロが受けてきた教えが確実なものであることを、よく分かってもらいたいためであった(4節)。テオフィロは、イエス・キリストを信じて間もない人物だったのだろう。
信じてはいるが、まだ確信がない、迷いがある、不安もある。礼拝にはきちんと参加しており、祈ることも献金もしている。しかし、今一つ確かな信仰に至っていない。喜びも感謝もあるにはある。しかし、それ以上に不安や恐れがあり、いつも揺れ動いてしまう。
その原因は人によって異なるだろう。しかし、意外に多くのキリスト者が、テオフィロと同じような問題を抱えているのではないか。つまり、聞いて信じてはいても、それを順序正しく整理し、確認することをしていないため、いつまでも確信を持てずにいる、そして、或る時点から成長が止まっているということはないだろうか。
福音の教理を順序正しく整理し、確認することを通して、自分の信仰と人生を振り返り、整理し、今後の歩みを確かめる。そのような御言葉の学びと祈りの時が、キリスト者には必要である。勿論、一人では難しい。共に学び祈る信仰の友との交わりが、また御言葉を解き明かす教師が、私達には必要である。その意味で、ルカは、テオフィロにとって真実の信仰の友であり教師であったに違いない。