(1) 燭台のともし火皿(1~4節)
主なる神はモーセを通して(1節)、「燭台」に「七つのともし火」を載せ(2節)、臨在の幕屋を明るく照らすよう祭司アロンに命じられた。臨在の幕屋には窓がなかったので、ともし火が唯一の光であった。
その際、アロンはともし火をもって「燭台の前方を照らすように」命じられている(2節)。燭台の前にはイスラエルの12部族を象徴する12個の供えのパンが置かれた。12個のパンを照らす7つのともし火皿の光は、「主が御顔を向けてあなたを照らし/あなたに恵みを与えられるように」という主なる神の臨在と祝福を表すものであった(6章25節)。
アロンは、「主がモーセに示された雛型に従って」燭台を作り(4節)、「主がモーセに命じられたように」ともし火皿を載せた(3節)。臨在の幕屋も他の全ての祭具も、主なる神がモーセに語られた通りに作られた。自分の願望や経験や知恵よりも主なる神の言葉を優先し、その通りに行う時、主なる神は豊かな恵みを注いで下さる。信仰とは主なる神の言葉に対する従順である。
イエス・キリストは「わたしは世の光である。わたしに従う者は暗闇の中を歩かず、命の光を持つ」とお語りになった(ヨハネによる福音書8章12節)。そして、弟子達に「あなたがたは世の光である」と言われた(マタイによる福音書5章14節)。主なる神はキリスト者を暗い世を照らす光とされた。キリスト者が主なる神の言葉に従って生き、イエス・キリストの福音を伝えることによって、主なる神の命の光はキリスト者を通して世に証しされる。
(2) レビ人の清めの儀式(5~13節)
レビ人はイスラエルの全ての初子の身代わりとして主なる神のものとされた者である(3章12節)。「イスラエルの人々の共同体全体」が「呼び集め」られ(9節)、「イスラエルの人々」が「主の御前」で「レビ人の上に手を置」くことによって(10節)、彼らは「主に仕える者」とされた(11節)。また、この按手にはレビ人を「イスラエルの人々の奉納物として」主なる神にお献げするという意味も含まれていた(11節)。レビ人はイスラエルの民を代表して主なる神に献げられた「奉納物」であった(13節)。
レビ人は幕屋の祭具を管理し、運搬する任務を任されたが、主なる神は彼らを聖別してから、ご自身に仕えさせた。レビ人を奉仕者として立てる儀式として「罪を贖う儀式」があった(12節)。まず「まだ背に軛を負ったことがなく、無傷で、欠陥のない赤毛の雌牛」を屠って、燃いた灰を混ぜ、「罪の清めの水」(7節)が作られた(19章2~9節)。レビ人は、その水を振りかけられ、体全体の毛を剃り、衣服を水洗いすることによって内も外も清めた。レビ人の清さは、幕屋における全ての奉仕に影響を及ぼすからである。
生贄に傷がなくても、奉仕している者が汚れていれば、全ては汚れてしまう。後にイエス・キリストは、「外側はきれいにする」けれども、「自分の内側は強欲と悪意に満ちている」ファリサイ派の人々を非難し、「外側を造られた神は、内側もお造りになった」と言われている(ルカによる福音書11章39~40節)。
それからレビ人は「穀物の献げ物」、「贖罪の献げ物」(8節)、「焼き尽くす献げ物」(12節)をささげた。贖罪の献げ物を通して罪が贖われ、穀物の献げ物を通して感謝を、焼き尽くす献げ物を通して献身を表すことによって、レビ人は主なる神に仕える者とされた。主なる神は、罪深い人間を憐れみ、各種の献げ物に関する律法を与えることによってイスラエルに臨在された。
私達もイエス・キリストの十字架の贖いによって、主なる神の御前に進み出ることが出来るようになった。全てのキリスト者は、レビ人と同じように主なる神に献げられた者であり、常に主なる神の御前にいる。今日の教会において〈献身者〉と言うと、牧師・伝道者を指すと考えられがちであるが、パウロはローマの教会の信徒に対して「自分の体を神に喜ばれる聖なる生けるいけにえとして献げなさい」と勧めた(ローマの信徒への手紙12章1節)。ペトロもキリスト者は「選ばれた民、王の系統を引く祭司、聖なる国民、神のものとなった民」であると述べている(ペトロの手紙一2章9節)。キリスト者は、イエス・キリストにあって主なる神のものとされ、主なる神に仕える祭司として召された。
主なる神は一点の汚れもない方なので、主なる神に仕えるには、まず聖別され、清められなければならない。この点に関して私達は甘く考えてしまうことがある。奉仕者が少ないとか、能力的に優れているという理由から、霊性と人格に関して十分に整えられていない人に教会の重要な役割を任せてしまうことがある。主なる神のために奉仕する時、信仰に立ってそれを行わなければならない。主なる神の御前に献げられた者として、日々主なる神の言葉に従い、主なる神のために生きていこう。
西原新生バプテスト教会
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