聖書日課 列王記上11章(新共同訳 旧約pp.548-551)
一国の王が外国の王女を妻とすることは、政略の一手段としてごく普通のことだった。今や世界一の繁栄を誇る大国となったイスラエルの王ソロモンが、外国から妻を迎えたことは、力と繁栄の象徴であったことだろう。しかし、ソロモンの場合、余りにも度を越していた。「王妃」と「側室」を合わせて、何と1000人もの妻がいたのだから!
だが、問題の本質は人数ではない。ソロモン王が、主なる神を愛し、主なる神の掟に聞き従う道から外れて、「他の神々」に「心を向」けてしまったことに、重大な間違いがあった。
「彼には妻たち、すなわち七百人の王妃と三百人の側室がいた。この妻たちが彼の心を迷わせた。ソロモンが老境に入ったとき、彼女たちは王の心を迷わせ、他の神々に向かわせた。こうして彼の心は、父ダビデの心とは異なり、自分の神、主と一つではなかった」(3~4節)。
あれほど知恵に富み、あれほど豊かな繁栄を誇ったソロモンが、まさか「他の神々」に従うようになるなど、にわかには信じられない。しかし、それは歴史の事実であり、人間の弱さと愚かさの現実である。
一体、何がソロモンをそうさせてしまったのか。それはソロモンが愛した多くの外国の妻たちの存在であると聖書ははっきり記している。
主なる神は、かつてイスラエルの人々に言われた。
「あなたたちは彼らの中に入って行ってはならない。彼らをあなたたちの中に入れてはならない。彼らは必ずあなたたちの心を迷わせ、彼らの神々に向かわせる」(2節)。
ソロモンがこの主なる神の言葉を知らなかった筈はない。にもかかわらず、ソロモンは、この世の常識に倣った。そして、「彼女たちを愛してそのとりことなっ」てしまった(2節)。
どんなに多くの知恵を持っていたとしても、主なる神の教えに聞き従うこと以上に大切な知恵はない。どんな繁栄を得たとしても、主なる神に信頼し聞き従う以上に確かな道はない。ソロモンは、豊かな繁栄の中で、驕り、高ぶり、惑わされていったに違いない。
大切なことは、どこまでも、いつまでも、ただ主に聞き従い、主と共に生きることである。
「すべてに耳を傾けて得た結論。『神を畏れ、その戒めを守れ。』これこそ、人間のすべて」(コヘレトの言葉12章13節)。
西原新生バプテスト教会
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