聖書日課 ヘブライ人への手紙8章(新共同訳 新約pp.409-410)
(1) 遥かに優れた務め(1~6節)
キリスト者が誇るべきものは、ただイエス・キリストだけである。私達には優れた「大祭司が与えられてい」る。大祭司イエス・キリストが「仕えておられる」所は、「天」にある「聖所また真の幕屋」である。これは「人間ではなく主がお建てになった」ものである(2節)。
地上の大祭司は、地上の聖所で「律法に従って」「供え物といけにえとを献げ」た。しかし、天上の聖所の大祭司イエス・キリストは「ただ一度、御自身を献げ」られた(7章27節)。
地上の幕屋の原型である天の聖所に仕えておられる大祭司イエス・キリストは、地上の幕屋より「更にまさった約束に基づいて制定された、更にまさった契約の仲介者」である。このようなイエス・キリストを誇ることは最高の喜びであり、この方に拠り頼むことは最高の祝福である。
(2) 主なる神が宣言された新しい契約(7~13節)
「新しい契約」が発効されると、「最初の契約」は効力を失う。主なる神はイスラエルの民とシナイ山で契約を結ばれた。そして、イスラエルが契約の民として相応しく生きられるよう、「律法」を与えられた。「律法」には、私達人間が依るべき法、生活を律する規範として、主なる神との正しい関係のあり方、隣人との正しい関係のあり方が定められていた。
しかし、イスラエルの民は、自分達の罪の故に、律法を完全に守ることが出来なかった。私達は自分の行動を縛られることを嫌う。どんなに良いものであっても、外から与えられたというだけで、私達はこれを拒絶して、自分が良いと思う道、高慢の道を歩こうとし、罪の中で身動きが取れなくなってしまう。
人間の弱さを知っておられた神は、新しい契約を与えて下さった。新しい契約の特徴は、第一に、主なる神がご自分の「律法」をご自分の「民」の「心に書きつけ」て下さることである。第二に、主なる神が「彼らの不義を赦し、もはや彼らの罪を思い出しはしない」ことである。
主なる神は、私達を憐れみ、外から私達を縛るのではなく、私達の内に律法を書きつけられた。それは、主なる神ご自身が私達の心の中、存在の真中に住んで下さるということである。新しい契約の民となった私達は、聖霊を通して罪を悟り、心から従うことが出来る道が開かれたのである。
「『それらの日の後、わたしがイスラエルの家と結ぶ契約はこれである』と、主は言われる。『すなわち、わたしの律法を彼らの思いに置き、彼らの心にそれを書きつけよう。わたしは彼らの神となり、彼らはわたしの民となる。彼らはそれぞれ自分の同胞に、それぞれ自分の兄弟に、『主を知れ』と言って教える必要はなくなる。小さな者から大きな者に至るまで/彼らはすべて、わたしを知るようになり、わたしは、彼らの不義を赦し、もはや彼らの罪を思い出しはしないからである』」(10~12節)。
私達の内にあって「正しい道はこれだ。こちらを歩め」と教えて下さる。この方の御声に聴き従う時、私達の存在は輝き、喜びに満ち溢れる。主なる神の御言葉を聴くことが喜びとなり、自ら罪から身を避けるようになる。そして、隣人を大切にしようと思うようになる。
私達の全ての罪を償うため、代わりに十字架にかかって下さった方、イエス・キリストを主として迎え入れる時、そのような人生が始まる。
このような私が赦されている。それだけでなく、イエス・キリストが私達の内に住んで下さっている。それに勝る幸いはない。
祈り
愛する天のお父様、今日も御前に引き寄せて下さったことを感謝致します。
主よ、あなたの愛は、石のように固く、高慢だったこの心を溶かして下さいました。あなたが住み始めて下さったあの時から、私の人生は変わりました。このような劇的な変化があろうとは、思ってもいませんでした。それほど、あなたの存在は確実なものとして、私の中に入って来ました。
試みに遭う時、あなたの御心を悟らせて下さい。あなたの御前に謙り、祈る者とならせて下さい。そして、私に真の癒しをお与え下さい。
主よ、あなたをまだこのようには知っていない多くの方がおられます。どうかこのような具体的な体験をもって、お一人お一人があなたを知ることが出来ますように。あなたの御声を聞きながら生活することが出来ますよう、助け、お導き下さい。
感謝して、尊いイエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
西原新生バプテスト教会
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