聖書日課 使徒言行録23章(新共同訳 新約pp.260-262)
エルサレムで遂に捕らえられたパウロは、翌日、ユダヤ人の「祭司長たち」(22章30節)と「最高法院の議員たち」(1節)の前に立たされた。ローマの千人隊長が、「なぜパウロがユダヤ人から訴えられているのか、確かなことを知りたいと思い」、彼らの「召集を命じ」たのである(22章30節)。
パウロは、少しも臆することなく議員達を見つめて言った。「兄弟たち、わたしは今日に至るまで、あくまでも良心に従って神の前で生きてきました」(1節)。 そして、パウロは、「議員の一部がサドカイ派、一部がファリサイ派であることを知」ると、彼らを分裂させるためにこう言った。「兄弟たち、私は生まれながらのファリサイ派です。死者が復活するという望みを抱いていることで、わたしは裁判にかけられているのです」(6節)。これは偽りではない。以前の彼は、ファリサイ派のユダヤ教徒であった。そして、今は復活の主イエス・キリストを信じ、永遠の命の希望に溢れて生きていた。
しかし、これを聞いたファイサイ派とサドカイ派の間に論争が生じ、最高法院は分裂状態に陥った(7節)。ファリサイ派の律法学者の中には、「この人には何の悪い点も見いだせない」(9節)と言う者さえ現れた。そして、余りにも「論争が激しくな」り、このままでは「パウロは彼らに引き裂かれてしまうのではないかと心配し」た千人隊長は、「パウロを力ずくで助け出し、兵営に連れ行くように命じた」(10節)。
一体パウロはどうなるのだろうか? ところが、この先行きの全く見えない暗闇の中で、パウロは主なる神の御声を聞いた。「勇気を出せ。エルサレムでわたしのことを力強く証ししたように、ローマでも証しをしなければならない」(11節)。
目に見える状況を考えれば、いつ殺されてもおかしくなかった。しかし、主なる神の御声を聞いたパウロの心は、この時、不思議な平安に満たされたに違いない。
そして、その言葉通りに、事は進んでいった。パウロ暗殺計画を知った千人隊長は、総勢270名もの護衛を付けて(23節)、パウロをカイサリアの「総督フェリクスのもとへ無事護送」した(24節)。たった一人の囚人の命を守るために、270人もの兵士が付けられた。これが主なる神の御計画である。主なる神の力強い御手は、人間の思惑を遥かに超えて働いていた。
西原新生バプテスト教会
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