聖書日課 申命記34章(新共同訳 旧約pp.338-339)
死期が近づいたモーセは、これから入ろうとするカナンの全地を見渡すことの出来る「ピスガの山頂に登った」。そして、そこで主なる神から御言葉を受けた。
「主はモーセに言われた。『これがあなたの子孫に与えるとわたしがアブラハム、イサク、ヤコブに誓った土地である。わたしはあなたがそれを自分の目で見るようにした。あなたはしかし、そこに渡って行くことはできない」(4節)。
モーセは約束の地に入れなかった。しかし、自らの役割を忠実に果たした。民をエジプトから導き出し、約束の地の手前まで導く。これが、モーセに与えられた主なる神からの〈使命〉であった。
私達にも、主なる神は、私達でなければ出来ない〈使命〉をお与え下さっている。そのことに〈命を使う〉人生は何と幸いだろう。
モーセが約束の地に入れなかったように、自分の代で完成を見ないことがある。自分の代で成したことは中途半端で、何も出来なかったかのように感じることもあるかも知れない。
しかし、主なる神の大きなご計画の中で、私でなければ出来ない働きがある。そして、主なる神はそのような一人一人の働きを組み合わせて、ご自身の御心という名の作品を完成される。
私達に求められているのは、各自の分を心得て、その分に応じて働くことである。
「一タラントン預かった者」は、少なさに不平を言わず、また「地の中に隠し」たりせず、それを生かそう(マタイによる福音書25章24~25節)。また、「五タラントン預かった者」には、「五タラントン」の〈使命〉がある(同15~16節)。自分の多さを誇ったり、高慢になってはいけない。私達の人生は、ちっぽけな自己実現のためではなく、主なる神の御心の実現のために用いられるべきである。
交響曲の中には1回しか出番のない楽器もあれば、随所に音を奏でる楽器もある。きらびやかな音を出す楽器もあれば、底支えをするような通奏低音を奏でる楽器もある。皆が組み合わさって交響曲が完成する。ヴァイオリンだけが自己主張をしても完成しない。出番が少ないからと言って、トライアングルが演奏を放棄してはならない。もしかしたら主なる神の御国の完成のクライマックスに、高らかに響き渡るトライアングルの出番があるかも知れない。
このように、主なる神の壮大なご計画の中ではモーセの活躍も一部分に過ぎない。それを弁え、謙遜に従う多くの聖徒達によって、神の国は完成する。
あなたでなければならないあなたの使命が、あなたによって忠実に果たされるように。
西原新生バプテスト教会
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