聖書日課 出エジプト記3章(新共同訳 旧約pp.96-98)
「モーセの召命」。出エジプト記3章の新共同訳の見出しである。主なる神は、モーセに、「イスラエルの人々をエジプトから連れ出」して、「乳と蜜の流れる土地」(8節)に導き入れるよう命じた。
「今、行きなさい。わたしはあなたをファラオのもとに遣わす。わが民イスラエルの人々をエジプトから連れ出すのだ」(10節)。
この時、モーセは80歳だった。40年に及ぶ荒れ野での生活の後、すっかり老人となっていた。主なる神の召命は、この年老いた羊飼いモーセに与えられた。
何故主なる神は、エジプト王女の養子だった頃の若くて勢いのあるモーセではなく、年老いて体力も気力も衰えつつあるモーセを選ばれたのか。200万人とも言われる民族を導き出す力が、今のモーセのどこにあるというのか。
40年前のモーセは、意気揚々として、正義感に溢れ、気力・能力・体力共に充実していた。彼は、有り余った力と正義感から、エジプト人を殺害してしまうほどだった(2章11~12節)。しかし、血気盛んであることと、主なる神に用いられる器であることは、全く別の次元のことである。結局、モーセは、荒れ野に逃げ去り、エジプトの豪勢な宮廷生活から離れて、羊飼いの厳しく慎ましい生活を40年にわたって強いられることになった。
ところが、これは主なる神の計画でもあった。モーセは、荒れ野での40年の間に、謙遜を身につけ、忍耐を身につけ、そして、主なる神への従順を身につけていった。
「わたしは何者でしょう。どうして、ファラオのもとに行き、しかもイスラエルの人々をエジプトから導き出さねばならないのですか」(11節)。
これは40年前のモーセには有り得ない発言だった。
しかし、だからこそ、主なる神はモーセに言われた。
「わたしは必ずあなたと共にいる。このことこそ、わたしがあなたを遣わすしるしである」(12節)。
主なる神の召命は謙遜な魂に与えられ、主なる神は謙遜な者と共におられる。
「主を畏れることは諭しと知恵。名誉に先立つのは謙遜」(箴言15章33節)。
「モーセという人はこの地上のだれにもまさって謙遜であった」(民数記12章3節)。
西原新生バプテスト教会
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