聖書日課 エステル記6章(新共同訳 旧約pp.769-770)
クセルクセス王は眠ることが出来なかったため、「宮廷日誌を持って来させ、読み上げさせた」(1節)。ところが、その中に、かつて王に対する謀反を未然に防いだモルデカイの「記録があった」(2節)。彼が「栄誉と称賛」を何も与えていないことを知った王は(3節)、早速彼に「栄誉」を与えようと考えた。
丁度その時、ハマンが宮廷にやって来たので、王はハマンに尋ねた。
「王が栄誉を与えることを望む者には、何をすればよいのだろうか」(6節)。
ハマンは、てっきりそれは自分のことと思い込み(6節)、思いつく限りの「栄誉」を王に進言した(7~9節)。そこで、王はその進言を受け入れ、その通りのことをモルデカイにするようハマンに命じた。
「王はそこでハマンに言った。『それでは早速、わたしの着物と馬を取り、王宮の門に座っているユダヤ人モルデカイに、お前が今言ったとおりにしなさい。お前が今言ったことは何一つおろそかにしてはならない。』ハマンは王の服と馬を受け取り、その服をモルデカイに着せ、都の広場で彼を王の馬に乗せ、その前で、『王が栄誉を与えることを望む者には、このようなことがなされる』と、触れ回った」(10~11節)。
自分のことしか考えない傲慢なハマンにとっては、まさに青天の霹靂であった。モルデカイを柱につるして殺そうと思っていたハマンが、よりによってモルデカイに、「王の服」を着せ、王の馬に乗せて「都の広場」で栄誉を与えるなど、一体誰が想像出来ただろう。全ては主なる神の御計らいによることだった。
憎い敵に自ら「栄誉と称賛」を与えなければならない破目に陥り、ハマンは「悲しく頭を覆いながら」家に帰った(12節)。すると、「一部始終」を知った妻と「親しい友達」が彼に言った。
「モルデカイはユダヤ人の血筋の者で、その前で落ち目になりだしたら、あなたにはもう勝ち目はなく、あなたはその前でただ落ちぶれるだけです」(13節)。
完璧なまでの形勢逆転である。昨日まで、一体誰がこのような展開を想像出来ただろうか。しかし、それはまだまだ始まったばかりである。これからいよいよ主なる神の壮大な逆転劇が展開されていく。
「だれでも高ぶる者は低くされ、へりくだる者は高められる」(ルカによる福音書14章11節)。
西原新生バプテスト教会
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