聖書日課 サムエル記上28章(新共同訳 旧約pp.474-476)
イスラエルとペリシテとの全面戦争が始まった。ペリシテ軍は、「シュネムに来て陣を敷」き、イスラエルは「ギルボアに陣を敷いた」(4節)。ところが、「ペリシテの陣営を見て」、サウル王はひどく「恐れ」「おののいた」(5節)。そこで、サウルは主の導きを求めた。
しかし、ここからが問題だった。
「サウルは主に託宣を求めたが、主は夢によっても、ウリムによっても、預言者によってもお答えにならなかった」(6節)。
それもそのはず、サウルは、これまで何度も何度も主の導きに逆らい無視してきたのである。その上、主に仕える祭司たちを殺害すらしている。彼は、主に聞き従う心を既に失っていた。
そこで、サウル王がやったのは、律法によって禁じられていた「口寄せのできる女」のところに行き、死んだサムエルの霊を呼び寄せてもらうことだった(11節)。
「サウルは家臣に命令した。『口寄せのできる女を探してくれ。その女のところに行って尋ねよう』」(7節)。
実は、サウルは、イスラエルから「口寄せや魔術師を追放していた」(3節)。せっかく律法に従って正しいことをしていたのに、主なる神からの答えが得られないと、今度は、自ら追い出した口寄せをわざわざ探して利用する。サウルの独断的で不安定な性格がここにも現れている。
これまで主なる神は、サムエルを通してサウル王に何度も語りかけ、忠告し、導いてこられた。主が語られなかったのではなく、サウルが聞き従おうとしなかったのである。それ故、サウルは王座から退けられることになってしまった。主なる神の決定は既に下されていた。しかし、それを知っていながら、なおサウルは王座にしがみ続けた。彼の恐れと不安の源はそこにあったのだろう。サウルの最期が近づいていた。
何より大切なこと、それは、「神を畏れ、その戒めを守」ることである(コヘレトの言葉12章13節)。確信と平安、希望と喜びはそこから生まれる。
西原新生バプテスト教会
主日礼拝 毎週日曜日10:30~12:00
〒903-0121 沖縄県中頭郡西原町内間27-2
電話・FAX 098-946-0119
メールアドレス