聖書日課 サムエル記上26章(新共同訳 旧約pp.472-473)
サウル王は、再び、ダビデを討つために「イスラエルの精鋭三千を率い」て「ハキラの丘に陣を敷いた」(1~3節)。ところが、ダビデは、それを知ると陣営に近づいて、サウル王の「寝ている場所」を突きとめた(5節)。そして、「夜にな」るのを待って、従者と共に自らサウル王の眠る「幕営」に近づいていった(7節)。
何と大胆な行動だろう! ペリシテの巨人ゴリアトを、たった一人で討ち倒した少年ダビデの大胆さは、彼の生涯を特長づけるものだった。
しかし、ダビデの特長は、大胆さだけではない。彼は、その夜、すっかり寝込んでいるサウルを討つことが出来たにもかかわらず、その命を狙うことはしなかった。
「ダビデとアビシャイは夜になって兵士に近寄った。サウルは幕営の中に横になって眠り込んでおり、彼の槍はその枕もとの地面に突き刺してあった。アブネルも兵士もその周りで眠っていた。アビシャイはダビデに言った。『神は、今日、敵をあなたの手に渡されました。さあ、わたしに槍の一突きで彼を刺し殺させてください。一度でしとめます。』ダビデはアビシャイに言った。『殺してはならない。主が油を注がれた方に手をかければ、罰を受けずには済まない』」(7~9節)。
この時、ダビデは言った。
「主は生きておられる。主がサウルを打たれるだろう。時が来て死ぬか、戦に出て殺されるかだ。主が油を注がれた方に、わたしが手をかけることを主は決してお許しにならない。今は、枕もとの槍と水差しを取って立ち去ろう」(10~11節)。
ダビデは、どこまでも主を畏れる人だった。そして、それ故に、「主が油を注がれた」サウル王の命を尊ぶ心を失わなかった。主を畏れ敬う従順、自分を殺そうとする者の命をも尊ぶ謙遜、これもまたダビデの大切な特長だった。
大胆さと従順さ、そして謙遜…。一見矛盾するかのようにも思えるこれらの資質を備えたダビデは、まさにイスラエルの王として相応しい人物だったと言える。もしかしたら、これらの資質は、サウル王の下での長い下積み生活と苦しい逃亡生活の間に、一層磨きがかけられていったのかも知れない。
人生に無駄なことなど何一つない。主を畏れ敬う心と、大胆に聞き従う勇気があれば、どのような出来事も乗り越えることが出来るだけでなく、自分の成長の機会とすることが出来る。
西原新生バプテスト教会
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