聖書日課 サムエル記上20章(新共同訳 旧約pp.461-463)
サウル王の手を逃れたダビデは、密かに「ヨナタンの前に来て」訴えた。
「わたしが、何をしたというのでしょう。お父上に対してどのような罪や悪を犯したからといって、わたしの命をねらわれるのでしょうか」(1節)。
ヨナタンは答えた。
「決してあなたを殺させはしない。父は、事の大小を問わず、何かするときには必ずわたしの耳に入れてくれる。そのような事を父がわたしに伏せておくはずはない。そのような事はない」(2節)。
ヨナタンは、ダビデのことで深く心を痛めていたが、それでも父サウルをまだ信頼していたようである。
しかし、そのようなヨナタンの信頼が脆くも崩される時が来た。「新月祭」の食事にダビデが欠席したことに腹を立てたサウル王は(25節、27節)、ダビデを庇う「ヨナタンに激怒し」(28~30節)、とうとうヨナタンにまで「槍を投げつけ」て(33節)、こう言った。
「エッサイの子がこの地上に生きている限り、お前もお前の王権も確かではないのだ。すぐに人をやってダビデを捕らえて来させよ。彼は死なねばならない」(31節)。
サウル王は、何よりもダビデに自分の王座が奪われることを恐れていた。しかし、ヨナタンには「王権」への執着はなかった。ヨナタンにとっては、それよりもダビデに対する友情が勝っていた。
王との破局を迎えたダビデと、父との破局を迎えたヨナタン…しかし、2人の間には、状況や利害を超える固い友情があった。それ故、ヨナタンはダビデにサウル王の決意を伝え、王のもとから密かに彼を逃がした。
「従者が帰って行くと、ダビデは南側から出て来て地にひれ伏し、三度礼をした。彼らは互いに口づけし、共に泣いた。ダビデはいっそう激しく泣いた。ヨナタンは言った。『安らかに行ってくれ。わたしとあなたの間にも、わたしの子孫とあなたの子孫の間にも、主がとこしえにおられる、と主の御名によって誓い合ったのだから』」(41~42節)。
別れの時、「彼らは互いに口づけし、共に泣いた」。そして、ヨナタンはダビデに言った。
「安らかに行ってくれ。わたしとあなたの間にも、わたしの子孫とあなたの子孫の間にも、主がとこしえにおられる、と主の御名によって誓い合ったのだから」
共に信仰の勇者であったヨナタンとダビデ。彼らの友情は、彼らが愛し仕える主なる神への信仰から生まれる兄弟愛そのものであった。
「兄弟を愛する人は、いつも光の中におり、その人にはつまずきがありません」(ヨハネの手紙一2章10節)。
西原新生バプテスト教会
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