聖書日課 申命記17章(新共同訳 旧約pp.307-308)
当時イスラエルの統治は王制ではなかった。敢えて言えば、主なる神が王であった。そして、その主なる神の代理人として、モーセやヨシュア、後の士師達が立てられた。
しかし、「周囲のすべての国々と同様、わたしを治める王を立てよう」という声が出てくることを想定して(14節)、〈王に関する規定〉が述べられている。
「王」はどうあるべきか。
第一に、王は主なる神が「選ばれる者」である。
「必ず、あなたの神、主が選ばれる者を王としなさい。同胞の中からあなたを治める王を立て、同胞でない外国人をあなたの上に立てることはできない」(15節)。
この点は世俗の王国と大きく違う。主なる神が権威を与えない限り、どれほど優れていようと王ではない。主なる神の選びと召命が大切な条件である。
第二に、「王は馬を増やしてはならない」と命じられている(16節)。当時「馬」は軍事用であった。つまり、軍備拡張に走ってはならないという意味である。何故なら、イスラエルは神の民だからである。軍事力ではなく、主なる神に依り頼んで戦うことを求められた。
第三に、「王は大勢の妻をめとって、心を迷わしてはならない」と命じられている(17節)。王は女性関係に清潔であることを求められた。
第四に、「銀や金を大量に蓄えてはならない」と命じられている(17節)。王は金銭に清潔であることを求められた。先の女性や金銭をめぐる問題で、実に多くの人が失脚し、周囲を悲しませている。
そして、こうした過ちを犯さないためにも、第五に、王は「律法」を愛読することを命じられている。
「彼が王位についたならば、レビ人である祭司のもとにある原本からこの律法の写しを作り、それを自分の傍らに置き、生きている限り読み返し、神なる主を畏れることを学び、この律法のすべての言葉とこれらの掟を忠実に守らねばならない。そうすれば王は同胞を見下して高ぶることなく、この戒めから右にも左にもそれることなく、王もその子らもイスラエルの中で王位を長く保つことができる」(18~20節)。
以上の5つの条件は、王だけでなく、職場のリーダーにとっても、家庭のリーダーにとっても有益な戒めである。
西原新生バプテスト教会
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