聖書日課 創世記35章(新共同訳 旧約pp.59-61)
(1) シケムを発つ(1〜8節)
シケムへの定着に失敗したヤコブは、主なる神が命じられたベテルに上った。
「神はヤコブに言われた。『さあ、ベテルに上り、そこに住みなさい。そしてその地に、あなたが兄エサウを避けて逃げて行ったとき、あなたに現れた神のための祭壇を造りなさい』」(1節)。
ベテルは単なる避難所ではなく、ヤコブの信仰を新たにするための礼拝の場である。「ベテルに上り、そこに住みなさい」という主なる神の命令には、巡礼の意味が込められていた。そこに「神のための祭壇を造」るからである。
ヤコブはベテルに上る前に、まず主なる神を礼拝する準備を整えた。「家族の者や一緒にいるすべての人々」が「身に着けている外国の神々を取り去り、身を清め」させた。また、ヤコブは「衣服を着替えなさい」と命じているが、これはカナンの慣習を捨て去る象徴的な行動であった(2節)。
シケムを去るヤコブの一行を「追跡する」カナン人は誰もいなかった。「神が周囲の町々を恐れさせた」からである(5節)。ヤコブは迅速な従順によって、主なる神の迅速な報いを受けた。
(2) ヤコブの契約の更新(9〜15節)
ベテルは、ヤコブが故郷を離れて初めて主なる神に出会い、約束を受けた場所である。主なる神はヤコブに信仰の転換点となった出来事を思い出させ、新しい契約を与えられた。
「神は彼に言われた。『あなたの名はヤコブである。しかし、あなたの名はもはやヤコブと呼ばれない。イスラエルがあなたの名となる。』神はこうして、彼をイスラエルと名付けられた」(10節)。
「ヤボクの渡し」で主なる神と「格闘」した時にも新しい名が与えられたが(32章23~29節)、ここではヤコブが新しい人格に変わり、彼の家族が新しい信仰共同体を形成することを意味している。
次に、ヤコブはアブラハムとイサクが受けた約束の相続者となる。
「神は、また彼に言われた。『わたしは全能の神である。産めよ、増えよ。あなたから/一つの国民、いや多くの国民の群れが起こり/あなたの腰から王たちが出る。わたしは、アブラハムとイサクに与えた土地を/あなたに与える。また、あなたに続く子孫にこの土地を与える』」(11~12節)。
ヤコブが受けた祝福は、イサクの祝福(28章3~4節)とアブラハムの契約(17章1~2節、6節)、ヤコブが故郷を離れる時に受けた約束を含んでいる(28章13節)。ヤコブの家族は、主なる神の約束をしっかりと掴んで、新しい信仰共同体として旅に出た。
祈り
愛する天のお父様、失敗しても私達を忘れず、契約を更新して下さるあなたを讃美します。あなたは、ご自分を信じる者がどれほどの祝福を得、この地上にあってどれほどの力に満たされて生きることが出来るか、今日も現したいと願っておられます。主よ、古い人を脱ぎ捨て、新しく生まれた者として相応しく生きるために、私達に信仰を与えて下さい。新しい価値観と方法を選択する大胆さを与えて下さい。ただあなたを信じ、生活の只中であなたの奇跡を見ることが出来ますように。愛する人にあなたの救いを見ることが出来ますように。今日、信仰により、私達を元気にして下さい。主イエス・キリストの聖なる御名によってお祈り致します。アーメン。
西原新生バプテスト教会
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