聖書日課 創世記4章(新共同訳 旧約pp.5-6)
人類史上最初の殺人事件は、人類史上最初の家庭の中で起こった。アダムとエバの間に生まれた兄カインが、主なる神への献げ物のことで弟アベルに妬みと恨みを抱き、アベルを野に連れ出して殺してしまったのである。
「カインが弟アベルに言葉をかけ、二人が野原に着いたとき、カインは弟アベルを襲って殺した」(8節)。
この時、主なる神は、カインが罪に陥ることがないように呼びかけられた(6~7節)。しかし、カインは主なる神の警告を無視してアベルを殺してしまった。その結果、カインは「呪われる者」(11節)となり、「地上をさまよい、さすらう者」(12節)となってしまった。
「カインは主の前を去り、エデンの東、ノド(さすらい)の地に住んだ」(16節)。
主なる神の御声に逆らい、「主の前を去」った者が生きる〈さすらいの世界〉、それが「エデンの東」にある「ノドの地」である。それは、恐怖が渦巻く世界であり、自分の居るべき場所がどこにもない不安の地であった。
それ故、カインは堪りかねて主に言った。
「わたしの罪は重すぎて負いきれません。今日、あなたがわたしをこの土地から追放なさり、わたしが御顔から隠されて、地上をさまよい、さすらう者となってしまえば、わたしに出会う者はだれであれ、わたしを殺すでしょう」(13~14節)。
すると、主はカインに答えて言われた。
「主はカインに言われた。『いや、それゆえカインを殺す者は、だれであれ七倍の復讐を受けるであろう』。主はカインに出会う者がだれも彼を撃つことのないように、カインにしるしを付けられた」(15節)。
主なる神の警告の声を無視して、弟を殺してしまい、主の前を去り、恐怖と不安の中にさすらう者となったカインの叫びを、主なる神は受けとめられた。そして、決して殺されることがないように、彼に「しるしを付けられた」。
たとえ私達が主なる神に逆らい、罪を犯したとしても、主なる神は私達を見捨てることはない。私達が罪を悔い改めて、主に向かって赦しと助けを求めるなら、主なる神はその声に必ず答えて下さる。何故なら、「わたしたちが誠実でなくても、キリストは常に真実であられる」からである(テモテへの手紙二2章13節)。真の平和と希望は、このイエス・キリストの真実に全てを委ねることから生まれる。
西原新生バプテスト教会
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