聖書日課 コリントの信徒への手紙二5章(新共同訳 新約pp.330-331)
使徒パウロの弁明を聞いた時、ローマ帝国の総督フェストゥスはこう言った。「パウロ、お前は頭がおかしい。学問のしすぎで、おかしくなったのだ」(使徒言行録26章24節)。
福音には、全ての人を救うことの出来る力がある。しかし、全ての人が福音を受け入れるわけではない。寧ろ、世の多くの人々は、福音の真理を疑い、拒絶し、無視する。それ故、伝道者とは、そのことを承知の上で、それでもなお人々に福音を宣べ伝えようとする者と言うことが出来るだろう。しかも、それは、利益のためでも、名声のためでもない。パウロは次のように告白している。
「わたしたちが正気でないとするなら、それは神のためであったし、正気であるなら、それはあなたがたのためです。なぜなら、キリストの愛がわたしたちを駆り立てているからです」(13~14節)。
パウロは、別の手紙でもこう言っている。
「そればかりか、わたしの主キリスト・イエスを知ることのあまりのすばらしさに、今では他の一切を損失とみています。キリストのゆえに、わたしはすべてを失いましたが、それらを塵あくたと見なしています」(フィリピの信徒への手紙3章8節)。
パウロは、「主キリスト・イエスを知ることのあまりのすばらしさに」魅了されていたのである。つまり、イエス・キリストの愛に魅了され、「キリストの愛」に「駆り立て」られること、それが伝道者の真の動機であると言える。
真実な愛は「恐れを締め出」す(ヨハネの手紙一4章18節)。人の批判や中傷に恐れをなし、投げ出したり、諦めたりしない。勿論、人間の評価や目先の利益に振り回されるようなこともない。伝道者パウロの強さの源は、そこにあった。しかし、それは、パウロの愛ではない。パウロが魅了されて止まない主イエス・キリストの愛、聖霊によってパウロの内に注がれた主なる神の愛が、パウロを決して落胆させることなく、主なる神から授かった「和解のために奉仕する任務」(18節)を生涯にわたって全うさせた。
「ですから、神がわたしたちを通して勧めておられるので、わたしたちはキリストの使者の務めを果たしています。キリストに代わってお願いします。神と和解させていただきなさい」(20節)。
このパウロの声が、今あなたにも届いているだろうか。
西原新生バプテスト教会
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