聖書日課 マルコによる福音書1章(新共同訳 新約pp.61-63)
「神の子イエス・キリストの福音の初め」(1節)。
マルコによる福音書は、この一文から始まる。私は、この一文に、著者マルコの福音に対する熱い思いを覚える。「これから、皆さんに素晴らしい福音(グッド・ニュース)をお伝えしたいと思います! これは、本当に素晴らしいもので、皆さんに救いと祝福をもたらします!」そのようなマルコの声が聞こえてくるようである。
その福音は、「神の子イエス・キリスト」によってもたらされた。このイエス・キリストの教えを聞き、信じ、受け入れるならば、誰でも罪の赦しと永遠の命が得られる。天地を造られた主なる神の愛に包まれ、守られ、満たされて、永遠に生きる者としていただけるのである。
皆さんはどうだろうか。皆さんは、福音の素晴らしさを知っているだろうか。また、福音に生きる祝福を味わっておられるだろうか。そして、このマルコのように、他の人にも福音の素晴らしさを伝えたいという熱い思いを抱いておられるだろうか。
あなたが「う~ん、どうかなー?」と考え込んでしまうとすれば、是非この福音書から(勿論他の福音書からも)、福音の素晴らしさを、そして、イエス・キリストと共に生きる喜びと祝福を味わい知っていただきたい。
イエス・キリストの福音宣教の第一声は、次のようなものであった。
「時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい」(15節)。
「神の国」とは、主なる神の支配を意味する。アダムとエバが罪を犯して以来、人類はサタンの支配の下に置かれ、汚れと滅びの絶望の中にあった。しかし、主なる神の御計画の時が満ち、悪魔の支配が打ち破られて主なる神の義と愛による支配が完成する時が来た。それ故、福音を信じる者は、これ以上悪魔に振り回されることはない。主イエス・キリストが十字架で御自分の命を献げて下さったことによって、サタンの支配を完全に打ち破られたからである。
主なる神は今、この世界を支配しておられる。神の国は既にここに来ている。悪魔はなお、私達を主なる神から引き離そうと、様々な誘惑や攻撃を仕掛けてくるが、彼らは既に敗北している。だから、私達は決して失望することはない。イエス・キリストは今もこう叫んでおられる。「悔い改めて福音を信じなさい!」