聖書日課 ホセア書4章(新共同訳 旧約pp.1406-1408)
呪い、欺き、人殺し、盗み、姦淫、流血(2節)、渇き、衰弱、そして野の獣も空の鳥も海の魚までも一掃されるような自然破壊(3節)。ここだけ読んでいると、現代社会のことが言われているような気がしてこないだろうか? しかし、これは今から2700年以上も前のイスラエルの状況だった。どんなに科学が発展しても、人間は相変わらず同じ問題を抱えていると言えるかもしれない。そしてそれは、人間の本質が殆ど変わっていないということではないだろうか。
では、その問題の本質とは何か? こう言われている。
「主の言葉を聞け、イスラエルの人々よ。主はこの国の住民を告発される。この国には、誠実さも慈しみも/神を知ることもないからだ。」(1節)
昔も今も、人間の問題の根本は、主なる神を知らないこと、知ろうともしないことにあると聖書は教える。その結果、誠実さも慈しみもなく、欺き、殺人、盗み、姦淫、流血などのあらゆる悪が人生にも社会にも蔓延し、「地は渇き、そこに住む者は皆、衰え果て、野の獣も空の鳥も海の魚までも一掃される」ようになってしまう。
にもかかわらず、私達は聖書に耳を傾けるより、寧ろ科学や学問、法律や政治、お金や権力、或いは他の神々や宗教によって問題の解決を図ろうとしてきたのではないだろうか。勿論、科学や学問や政治はどうでもいいというわけではない。しかし、それらは全て外側を取り扱うものであり、主なる神を知ることによって自分自身が変えられていくこととは、全く違うものである。
主なる神が求めておられるのは、私達自身であり、私達が主なる神を知ることによって、罪と汚れが清められ、内側から新しくされていくことである。そうして初めて、呪いや欺き、殺人や盗み、姦淫や流血などの問題が解決されていく。
私達は、聖書が啓示する主なる神とその教えに、どれほど真剣に目を向け、耳を傾けているだろうか。